ぶるずあい

腐れ学生のブログ

夢の終わり

27年前の今日、何があったかご存知だろうか。天安門事件である。この事件は中共にとって大変都合が悪い出来事であるため、中国国内では未だに厳しい情報統制が敷かれている。

しょっぱなから何を書いているんだこのバカと思うかもしれないが、最後まで読んで欲しい。

今年の4月4日未明、新田さんのAV出演騒動が起きた。それ以降彼女が定期的につぶやいていたTwitterアカウントは騒動から丁度二ヶ月たった今日に至っても、一切発言しなくなった。まぁ事が事だけに当然かもしれない。

ぼくは前のエントリーで散々書いた通り、新田さんのファンであった。問題のAVを見てすぐに、「これは新田さん本人である」と確信出来た。(あんなの声聴けば分かるだろうが...)その日のうちに、新田さんの所属事務所のHPに声明文が出された。かいつまんで説明すれば『審議中であるが新田本人ではないと結論づけました。また弁護士とも相談中です』とのことであった。

「やっちまったな(;´'-'`)」としか言いようがない。これは考えられうる最悪の悪手であった。事務所は嘘を突き通さねばならなくなった。もちろん新田さんもである。彼女に関わる全員が、ファンですらも、「公然の嘘」を信じなければならなくなってしまった。あるいは信じるフリをしなくてはならなくなった。事態は道化で溢れる地獄のような状況に突入してしまったのである。あーあマジでやっちまったよ。

 

前置きはここまでにして、本日6月4日、パシフィコ横浜で開催された騒動後初めてのライブイベント「新田恵海 LIVE 2016 EAST EMUSIC 〜つなぐメロディー〜」のレポートに移ろう。

ナニがつながったんですかね...?

 

自宅からパシフィコ横浜の隣接するみなとみらい駅まで、電車を乗り継ぐ事3回、およそ1時間半、「クイーンスクエア」という複合施設から連絡橋を超え、パシフィコ横浜国立大ホールにたどり着く。なんとも分かり辛い道のりであった。連絡橋の辺りからチラホラとぼくと"同類"であろうオタクたちが、隠しきれないオーラを発しながら魑魅魍魎の如く現れて来た。殆どは連れと来ているらしく、他のオタクと楽しそうに談笑していた。

そんな光景を尻目に歩みを続け、目前に湾を望むパシフィコ横浜の正面にたどり着いた。見渡す限りの海、そしてオタクたちである。おぞましくもあり、どこか親しみを覚えるような情景であった。

ホール入り口では物販が開催されており、新田さんと親交のある著名声優、企業などからのフラワースタンドが設置されてあった。ここでの紹介は割愛するが、そうそうたる面々からのフラスタであった。また有志のファンからによるフラワースタンドもいくつか設置してあった。涙が出るね。

物販はスルーし、フラスタを見物し終わった後、一旦ホール外に出て辺りを散策する事にした。開演までの時間は十分にあった。一服してから、周りのオタクたちを観察する。仏頂面をしてるぼくとは対照的と言っていいほど、笑顔が弾けんばかりのファンで溢れていたように見えた。男女比は20:1といった感じだろうか。年齢層は比較的高め、中学生や高校生に見えるようなファンはいなかった。そして目立つのは穂乃果のグッズやオレンジ色のジャージ。二ヶ月前の東京ドームで散々見たような姿をしているファンが多かった。一体いつまでμ'sの幻影に縛られているのか。流石に穂乃果に新田さんに失礼だろうと辟易してしまった。

 

いよいよ入場開始の時刻となった。外は風が強いこともあって、ぼくは早めに入場することした。チケットはもちろん本人名義なのでなんの心配もない。が、チケットをもぎりに渡し、半券を返してもらったぼくを待ち受けていたのは、金属探知の検査と手荷物検査であった。といっても厳正なものではなく正直言ってガバガバな検査で、危険物を持ち込もうと思えば恐らく突破出来るだろうな言えるレベルの検査であった。オイオイ大丈夫かよ...

チケットに記された自分の席に向かう。二階席の中程よりやや前方。見やすいとも見づらいともいえない半端な席だった。高いBDを先行予約して手に入れたシリアルの席なのにあんまりである。持って来たキングブレードに電池を入れ、隣席のデブ女襲来に冷や汗をかきつつ静かに開演を待った。会場内には新田さんの楽曲が流れ、入場してくる観客が多くなるに連れて曲へのコール、いわゆる準備運動が目立つようになってくる。

ぼくはライブ中一言も声を発さなかった。今日はライブを楽しみに来たのではなく、自分の気持ちに折り合いをつけるために来たのだから。

開演時間となり、会場内のテンションは最高潮まであがって来たが、およそ10分遅れでライブが始まることとなった。あくしろよ。以降はセトリ順に簡単に書いていく。

 

 

(1)『盟約の彼方』4thシングル表題曲、TVアニメ『ラクエンロジック』ED曲

何やらスタイリッシュな映像が前方大スクリーンに流れ、壮大なイントロで一曲目が始まった。衣装は緑を基調としたドレス風。髪型は編み込みにポニーテールであった。例の騒動の後、痩せたと思われていたが今日見た限りではそれほど体格が変わっているように見えなかった。

(2)『EMUSIC』1stアルバム収録、表題曲

コールが多めになるたいへん盛り上がる曲である。ぼくは地蔵になっていたが。

(3)MC1  簡単なあいさつを30秒ほど

(4)『探求Dreaming』2ndシングル表題曲、TVアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズTD』ED曲

ミルキィらしからぬ真面目な感じだが個人的には好きな曲。PVの安っぽさはどうにかならなかったのかよ。 

(5)『優しい世界 そして未来へ』3rdシングルカップリング曲

アイリッシュ調(?)というのだろうか、軽快なメロディーで非常に高音で歌う曲。新田さんやっぱり歌上手いなぁ。

(6)『言葉より強く』1stアルバム収録曲

しっとりした、それでいて力強い男性目線のラブソング。良い曲だぁ。

(7)MC2 EMUSICとはどういった意味が込められているのかと言う話を一分ほど。正直どうでもいいので覚えてない。

(8)『HEATFULL WISH』 ゲーム『リトルウィッチパルフェ 黒猫魔法店物語』OP曲

新田さんの実質の歌手デビュー曲である。ぼくは音源を持っていないのであまり聴いた事がなかった。まぁまぁ良い曲ではあった、かな。

(9)『想いよ届け』2ndシングルカップリング曲、ゲーム『ひとつ飛ばし恋愛V』OP曲

新田さんの曲の中でもかなり好きな曲。ゲームはプレイしていないが。余談だが『ひとつ飛ばし恋愛』は元はエロゲである。新田さん芹なづなは出演していないぞ。

(10)『想像を超えた世界』1stシングルカップリング曲

それほど好きな曲ではない。以上。

(11)MC3 バンドの紹介。そう、今回のライブは生バンド演奏である。豪華だね。上座のギタリストがイケメンだった。バンドのメンツはAVを見たのだろうか。非常に気になる次第である。

(12)『スピカ』1stアルバム収録曲

またまたしっとりした曲。バンド演奏との相性が良いように感じた。正直この曲を聴いた時「新田さんのファンを続けてもいいんじゃないだろうか...」と心が揺れた。それ程に良い曲であった。

 

 

前半終了である。楽しみに来た訳ではないと自分に言い聞かせながらも、やはり新田さんのライブを、歌声を楽しんでいる自分がいた事を認めざるを得なかった。曲は良いのだ、本当に。だからこそあんな騒動を起こして欲しくなかった。ぶち壊しにして欲しくなかった。今となっては何を言ってもどうにもならないのだが。

 

5分程新田さんの変なコスプレの映像が流れた後、衣装をまたしてもグリーンのチュチュスカート、花柄のトップスに変更してライブ後半がスタートした。

(13)『笑顔と笑顔で始まるよ!』1stシングル表題曲

後半はアップテンポな盛り上がる曲でスタート。振り付けが可愛らしい。1stシングルのジャケットの"キツさ"は歴史に残るレベルである。よくあれにGoサイン出したな。

(14)『Rainy*flower』1stアルバム収録曲

雨模様を可愛らしく歌った曲。昨年の1stライブでも披露したように、黄色い傘を使ったダンスを見せた。モニター演出も雨模様だった。

(15)MC4 ライブのサブタイトルでもあるつなぐメロディーは緑色を連想するらしい。なので今回のライブは緑を基調とした衣装を使っているようだ。

(16)『Dear everyday』1stアルバム収録曲

仕事に、学校に頑張るファンへ向けた曲。新田さん、あんたがいろんな意味で頑張らないと駄目だと思うんですがそれは...

(17)MC5 「ここで皆さんにお話があります」マジなトーンと真剣な表情で話す新田さん。会場が一瞬で静まり返る。遂に来るか...と誰もが思った事だろう。もちろんぼくも身構えた。いよいよ新田さんの口から例の騒動についての釈明が聴かされるのだろうと。しかし内容は「去年のライブで私が撮った写真が一枚もろくに撮れてなかった!みんなごめんね!」というものだった。フザケンナ!

(18)『WONDER! SHUTTER LOVE』1stアルバム収録曲

新田さんの楽曲の中で最も好きな曲である。どこらへんが好きかと言われると上手く説明は出来ないがとにかく好きな曲である。カメラで写真を撮ると言う演出があり、前述の写真云々はこれのことである。今回は、前回トイカメラで失敗したので、デジカメにしてリベンジとの事だ。バンドのマニピュレーターもカメラで写真を撮りまくっていた。

(19)『きらめきを夢見て』1stアルバム収録曲

新田さんが作詞、作曲を担当した曲。今までの人生とこれからを歌った内容。めちゃくちゃ良い曲ではあると思う。だけど...

(20)MC6 内容を覚えていない

(21)『つなぐメロディー』4thシングルカップリング曲

新田さんが作詞した曲。この曲をもってライブ本編は終了となる。大サビにてメッセージが書かれた銀テープが発射された。

 

ここからはアンコールとなる。4分程アンコールの大合唱が続いた。なげーよ

EC(1)『世界ノ全部ガ敵ダトシテモ』 ゲーム『ケイオスリングスⅢ』OP

難易度が高い曲である。それでもしっかり歌いきる新田さん。やっぱり歌は上手い。

EC(2)MC7 ファンクラブ限定のグッズが今日から販売開始されることが告知される。 (´_ゝ`)フーン

EC(3)『NEXT PHASE』3rdシングル表題曲、TVアニメ『カードファイト!ヴァンガードG』ED曲

恐らく新田さんの楽曲で一番盛り上がる曲ではないだろうか。ぼくは相変わらず地蔵であったが。去年のブシロードライブでは死ぬ程声を張り上げた事を覚えている。あの頃に戻りたいね。

 

あいさつもそこそこに新田さん退場。ダブルアンコールとなる。2分程の「もういっかい!」の大合唱の後、新田さん登場。

 

WEC(1)MC8 再びバンド紹介。今度は長めの紹介と、メンバーから一言があった。そして新田さんにマイクが戻り、新曲の披露を発表。(;´'-'`)

WEC(2)『暁(アカツキ?)』新曲

カッコいい系の曲だったが、いまいちピンと来ない感じだった。

WEC(3) MC9 新田さんによる真面目な話。要約すると「自分は本当はネガティヴな人間であり、怖じ気づいてしまう事がある。後ずさりしてしまう事もある」「それでも誰か一人でも私の歌を聴きたいと言ってくれるなら、私は歌いたい」「私は歌を捨てる事は出来ない!」という話である。これは宣言とも見て取れる。これからも何の変わりもなく歌手活動を続けていくと言う宣言である。新田さんのファンであったぼくが死んだ瞬間であった。これは二度とAV騒動に言及するつもりはないという指針の現れであった。この人はこの先永遠に嘘をつき続けていくのだ。ぼくにはもう耐えられなかった。

WEC(4)『OURS POWERS』1stアルバム収録曲

もうどうでも良くなっていた。早く帰りたくて仕方がなかった。

挨拶をし、ライブは終了となった。

 

 

 

今日のライブで自分との決着はつけた。新田さんのファンでい続ける事は、ぼくには出来なかった。

イメージの問題は大きい。AVのショックは計り知れないものであると思う。それよりも、

嘘をつき続けることに我慢が出来なかった。全部が薄っぺらくなってしまった。彼女に関わる良い思い出が、全部台無しになってしまった。

あの騒動を無かった事にする。その方針をファンは受け容れるしか無い。自分を騙しながらファンであり続けるしかない。心に大きなつっかかりを持ったまま、歌を聴き、彼女を応援する。とてもじゃないがぼくには耐えられない。ぼくは答えが欲しかった。無理な事を言ってるかもしれない。それでもあの騒動への答えが欲しかった。何らかの変化が欲しかった。

 

冒頭で天安門事件のことを少し書いた。正直新田さんの界隈はあの状況より奇妙なものに見えた。誰もが分かっているのに、何も言い出さないし、言い出せない。新田さんサイドも、大多数のファンも。言っても状況が悪い方向にしか転ばないからである。偽りで固められた現状が、ベストになってしまっているからである。それで本当に良いんだろうか。人それぞれといったらそれまでだが。

 

散々こき下ろした感はあるが、それでも新田さんには感謝したいと思う。歌は本当に素晴らしかった。短い期間だったがファンでいられて幸せだった。

もう二度とブログでは新田さんに言及しない。ぼくにとってもその方が良いのだろう。

今日で、長い間ぼくにかかっていた魔法は、完全に解けてしまった。夢なんか見ない方が気が楽になるもんだよな。おしまい。